Characters    本編の若干のネタバレを含みます トップページに戻る
Eliot Vithdeen
エリオット・ヴァイスディーン(25)

 主人公。大陸中央新聞社に記者として勤務する青年。無難で凡庸な性格は円滑な人間関係の構築に多くの場面で寄与してきたが、見ようによっては主義主張のないつまらない男とも言え、現にジュアンからは内心そのように評価されている。女性の扱いにはあまり長けておらず、女心が読めずに相手の機嫌を損ねてしまうこともしばしば。忌憚なく物を言うレイチェルとは話がしやすく、彼女が自分に懐いてくれているのも悪く思ってはいない。
 平凡な一市民であったつもりが、千年単位の世界の破滅に自らが大きく関与していたことを知り、激しい自責の念に苛まれながらも歪んだ秩序から脱するべく立ち向かう。

「冗談じゃない。無理だ、人殺しなんてできない」
「他人任せの無責任野郎が、勇者に過大な期待を寄せているだけさ」

Juan
Garwick

ジュアン・ガーウィック
(24)
 大陸中央新聞社に籍を置くものの、重役出勤は当たり前、勤務時間の途中で蒸発、会社でしていることといえば、寝ているかゴシップ誌を眺めているだけ。それでも何故か会社をクビにならない不思議な男。会社のお荷物として鼻摘み者の存在だが、本人は全く気にする素振りもなくマイペースを貫く。クリスとは昔馴染みの仲を公言しており、会社内外を問わず彼女と行動を共にすることが多い。気を許し合っているような二人の様子から、エリオットには特別な仲なのかと勘繰られるほど。
 お調子者の面が目立ちつつも、どこか達観した物の見方をする面も見られ、飄々として掴みどころのない性格。自分のことを多くは語らない点から、社員からも謎の存在とされている。内実は非常に責任感が強く、仲間思い。目的達成のためには努力を惜しまない真面目さを隠し、駄目人間を偽る。
 魔法で未来からやってきたと自称する少女。天真爛漫で子供っぽい印象を周囲に振りまきつつも、他人の至らない点などはどんな相手でも物怖じせず指摘する。一見度胸があるように見えるが、オバケは苦手。
 実は大変に頭脳明晰、成績優秀で、難解な魔術書を独学で解読し、様々な魔術を発現させる。シロクマのような召喚獣のアトラスは頼れる武器であり、護衛であり、大切な相棒。エリオットを異性として慕っているように見えるが、実際には憧れ以上恋愛未満であることを本人も自覚している。勝算のない恋愛にはのめり込まないタイプで、脈なしと分かるやアッサリと次を探しに行くストレスフリーな性格である。

「そんなんだからいつまでたっても前に進めないんだよ」
Rachel Vozeg
レイチェル・ヴォゼッグ(17)
 アルバドール城騎士見習い。『クリス』という愛称で呼ばれることが多い。しっかり者のお姉さん的な目で見られがちだが、筋金入りの世間知らずゆえにズレた発言も散見される。勇者殺害を企むディルクとは師弟関係であり、また恋仲でもある。彼に対する想いは並々ならぬものがあり、もはや執着とも言えるレベル。ディルクに危害を加えようとする者には、それがたとえエリオットやジュアンであったとしても容赦なく剣を向けるが、時折何故こんなにも彼に気持ちが向くのか分からなくなる。
 真っ暗な場所が苦手で、夜は明かりがないと一人で部屋に入ることすらできない。しかし闇夜を照らす月や星は大好きで、一人で星空を眺めるのが趣味。
 性格は真面目。やや強がりなところがあり、他人に自分の弱い部分を晒け出すことを恥とする。が、ディルクにだけは素直に弱音を吐いたりもしていた。


「あの人を殺すって言うのなら、私も死ぬから」
Chritis J Tingel クライティス・J・ティンジェル(23)
Abel Fortner
アベル・フォートナー(?)

 名刺の文言をそのまま信用するなら、フェルトナール保険会社に所属する外交員。ふと現れては消える謎の男。かつてエリオットに助けられたことがある旨を主張し、今度は自分がエリオットを助けたいのだとして彼と怪しげな契約を結ぼうとする。
 皺一つないスーツ、折り目正しく物腰柔らかな言動からは一種の誠実さを感じさせるが、淡々とした語り口や微笑みが絶えない目元からは今一つ人間らしい感情が読み取れない。


「これは一つの賭けであり、チャンスでもあるのです」
Sasya Driver
サーシャ・ドライバー(29)

 大陸中央新聞社社長。小柄な体格ながら腕力は凄まじく、ちょっとしたゴロツキ程度ならば片手で捻じ伏せることが可能。黙っていれば美人なのだが、発する言葉は辛辣を極め、社員の人事評価も厳しいため女というより恐怖の対象としか見られていない。横暴な振る舞いで周囲を辟易させながらも、心は常に社員を大切に思っている。
 無敵と思われがちの彼女の唯一の天敵はゴキブリ。


「きりきり働かないってんなら減給だよ、減給」
 O t h e r s   順不同 随時増えたり訂正されたり あまり真面目に書いていません。
スパイク  大陸中央新聞社の社犬。退避観測の際、鋭い嗅覚を駆使してハイドロの匂いを嗅ぎ分け、観測隊らを洞窟の奥へと導く重要な任を担う。が、日常生活においてはただの犬。散歩に連れて行ってくれる人と食べ物をくれる人と頭を撫でてくれる人と綺麗なお姉さんには例外なく懐く。
エイプリル・ガーランド 主人公の元恋人。いつまで経っても一方的でしかない愛に疲れ果て、やがてこの世に生きていく価値を見失いエリオットの目の前で自害。とてつもない罪悪感と自己嫌悪の気持ちを恋人の心に残すことで、中途半端な関係しか築いてくれなかったエリオットに対する最後の仕返しを果たした。脇役ながらもフルネームが設定されているのは、後に登場するヒロインの噛ませ犬的存在になってしまった申し訳なさから。
フランク・リージェンス エリオットの同僚であり親友であったという設定のわりに、それらしき具体的なエピソードが作中に皆無であるため今一つ印象に残り難い男。『他人の不幸は蜜の味』という大衆ニーズに迎合できない誠実な人柄ゆえ、記者という仕事の理想と現実のギャップに苦しみ、追い詰められ、その職責に疑問を呈し続けた。そして二度目のフォービドゥン出現騒ぎの際、死の恐怖に怯えながら生き続けることに精神的限界を迎えて拳銃自殺。悩み、苦しみ続けた二十六年間が終わった顔は、とても清々しいものだった。
トマ 会社の同僚。穏やかな性格が顔と口調に滲み出ている。家事全般を得意とし、レイチェルやクリスに社内清掃のコツを指南することも仕事の一つとなっている。
ディルク・ナルディス アルバドール騎士団所属のめちゃくちゃ強い騎士。非常に人望が厚く、おまけに優しくてユーモアもあるという最強ステータスは多くの女性のハートを易々と貫く。その一方で、譲れない主張のためならば仲間をも殺しまくる非情さを持ち合わせ、一度こうと決めたからには絶対にそれを曲げようとしない我の強さもあまり歓迎されない特徴の一つ。
 作中ではクリスの方から次第に彼の魅力に参っていったような記述となっているが、実際のところはディルクの一目惚れから始まった恋だった。三度の飯よりきみが好き、といった気持ちを平然と言ってのけてはクリスを赤面させて楽しんでいた。
アガプキン 時と場所を問わず、四六時中飲んだくれて酒臭い息を吐き散らしているオラトリオ新聞社の記者。鬱陶しいのであまりかかわりたくないというこちらの気持ちを無視し、嬉々として近寄って絡んでくる辺りは正真正銘の酔っ払い。それでも仕事ぶりは優秀というから、上司もあまり口を出せない。
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